【奏】雪に願う事
泰生先輩の視線が
少しずつ下に下がって
ある位置で止まった。
「おまえ手袋は?」
「あは、忘れちゃったんです
それにおまえじゃなくて
ちゃんと心暖って
呼んでくださいよ~」
ちょっと口唇を尖らせた私に
はぁ?って顔の泰生先輩。
もしかして…
何回もお願いしてるのに
私の名前覚えてないとか
……ないよね?
「そんな事より
これだけ寒いのに忘れるなんて
本当、鈍くさい奴」
うぅ…話そらされた上に…。
確かに鈍くささで言えば
とびっきりだけどさ…。
頬を膨らませながら
俯く私の視界に
こげ茶色の手袋。
「貸してやる」
「えっ…?」
思わず泰生先輩を見上げた。
「手、真っ赤じゃねぇか。
大きいだろうけどつけとけ」
泰生先輩…。
髪から見え隠れする耳が
ほんのり赤くなってるよ?
でもでも、同じぐらい
きっと私も赤くなってるよね。
「要らねぇのか?」
途端に悪戯そうに口角を上げて
意地悪を言う泰生先輩に
慌てて手を伸ばした。
「要ります!!
貸して貰います。」
ふっと笑った泰生先輩から
手袋を受け取り
手に通す。
……大きい。
やっぱ男の人の手って
大きいんだ。
「えへへ」
しかも大好きな泰生先輩の手袋。
泰生先輩がはめてたからか
ほんのり温かい。
「何だよ?」
「泰生先輩、大好き」
ギューって抱きつく私。
「ばかっ!!!
離れろ!!
くっ付くんじゃねぇよ」
うぅ…相変わらず冷たい。
怒られた上に
簡単に引き剥がされた…。
これもいつもの事。
はぁ…こんなに好きで
好きって言ってるのに
いつになったら伝わるのかな?
毎日が大好きでいっぱいになって
毎日、大好きが増えていく。
少しずつ下に下がって
ある位置で止まった。
「おまえ手袋は?」
「あは、忘れちゃったんです
それにおまえじゃなくて
ちゃんと心暖って
呼んでくださいよ~」
ちょっと口唇を尖らせた私に
はぁ?って顔の泰生先輩。
もしかして…
何回もお願いしてるのに
私の名前覚えてないとか
……ないよね?
「そんな事より
これだけ寒いのに忘れるなんて
本当、鈍くさい奴」
うぅ…話そらされた上に…。
確かに鈍くささで言えば
とびっきりだけどさ…。
頬を膨らませながら
俯く私の視界に
こげ茶色の手袋。
「貸してやる」
「えっ…?」
思わず泰生先輩を見上げた。
「手、真っ赤じゃねぇか。
大きいだろうけどつけとけ」
泰生先輩…。
髪から見え隠れする耳が
ほんのり赤くなってるよ?
でもでも、同じぐらい
きっと私も赤くなってるよね。
「要らねぇのか?」
途端に悪戯そうに口角を上げて
意地悪を言う泰生先輩に
慌てて手を伸ばした。
「要ります!!
貸して貰います。」
ふっと笑った泰生先輩から
手袋を受け取り
手に通す。
……大きい。
やっぱ男の人の手って
大きいんだ。
「えへへ」
しかも大好きな泰生先輩の手袋。
泰生先輩がはめてたからか
ほんのり温かい。
「何だよ?」
「泰生先輩、大好き」
ギューって抱きつく私。
「ばかっ!!!
離れろ!!
くっ付くんじゃねぇよ」
うぅ…相変わらず冷たい。
怒られた上に
簡単に引き剥がされた…。
これもいつもの事。
はぁ…こんなに好きで
好きって言ってるのに
いつになったら伝わるのかな?
毎日が大好きでいっぱいになって
毎日、大好きが増えていく。