りんごゆき

大剛さんは少し照れたように笑った。



「俺そいつと来年の春結婚するんだ。」



今度は私が驚く番だった。



「そ、そうなの?
おめでとう。」

「ありがとう。
バンドとして曲出すことはずっと俺の夢だった。

でも現実はそう甘くないんだな。
結婚したら子供だってほしいし、だから俺普通のサラリーマンとして就職することにした。」

「そっか…。」

「出来ることならバンドもやめたくなかったけどな。」



そして私の頭にぽんっと大きな手を乗っけて

「せっかくファンになってくれたのに、ごめんな。」

と大剛さんがちょっとだけ悔しそうに笑った。

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