うちの所長知りませんか?
木刀少女
〇〇〇
その立ち姿はあまりにも堂々としていたし、瞳は黒々、爛と正面を見据えていたから、だれも、なにも、言わなかったんだ。
「お訊ねしたいのですが、うちの所長知りませんか?」
と、彼女が腰に巻いたたすきに差している木刀を、抜くまでは。
「えーと……あの、いきなりなんなんでしょうか、アナタ?」
手にしているカードをテーブルの上に並べる途中だった僕も、その正面に座っている一年生の女の子も、気持ちは同じ。
なぜ彼女は木刀を所持して、いきなりそんな質問をしてくるのだろう?
しかも、初対面の、占い研究会の僕らなんかに。
「事情を説明したら答えてもらえますか?」
と、彼女は言う。向けられている木刀の先が、少し下がった。
今まで見たこともないくらい長い黒のポニーテールに、乱れもシワもない、規律で整ったセーラー服。
優等生なんだなというのが、その格好からもわかった。
木刀は……意味がわからないけど。
「あ、まあ……はい。とりあえず説明してもらえると、僕らも知ってるか知らないか答えやすいです」
その立ち姿はあまりにも堂々としていたし、瞳は黒々、爛と正面を見据えていたから、だれも、なにも、言わなかったんだ。
「お訊ねしたいのですが、うちの所長知りませんか?」
と、彼女が腰に巻いたたすきに差している木刀を、抜くまでは。
「えーと……あの、いきなりなんなんでしょうか、アナタ?」
手にしているカードをテーブルの上に並べる途中だった僕も、その正面に座っている一年生の女の子も、気持ちは同じ。
なぜ彼女は木刀を所持して、いきなりそんな質問をしてくるのだろう?
しかも、初対面の、占い研究会の僕らなんかに。
「事情を説明したら答えてもらえますか?」
と、彼女は言う。向けられている木刀の先が、少し下がった。
今まで見たこともないくらい長い黒のポニーテールに、乱れもシワもない、規律で整ったセーラー服。
優等生なんだなというのが、その格好からもわかった。
木刀は……意味がわからないけど。
「あ、まあ……はい。とりあえず説明してもらえると、僕らも知ってるか知らないか答えやすいです」