LAST contract【吸血鬼物語最終章】
あの後、生徒会室の後始末をきちんとして
何事も無かった室内を作り上げた。
その間に涙はいつの間にか、枯れていた。
なんだか証拠隠滅した辺りから、悪い事したみたいだ。
いや、実際はしたのだが。
スミレの心を傷付けただろう。
そして、自分自身も大きな傷を負った。
靴箱から靴を取り出して、それを履く。
冷たく冷えた靴は、まるで氷の様だった。
『手、冷たいね。氷みたい』
そう言って、またスミレは僕の手を握ってくれるだろうか。
また、僕に笑顔を向けてくれるだろうか。
首に巻いているマフラーに、軽く顎を埋めた時‥
「浦さん‥ッ」
後ろから掛けられた声を、僕は疑った。
その声の主を確認するのが怖くて、足を止めたまま視線は前。