群青の月 〜『Azurite』take00〜
夕暮れになり、いきなりの夕立
カッパを膝から一時ベットへ
立ち上がって、庭へ急ぐ
シーツを入れて、ハンガーを纏めて取る
ソファーに置くと、梅川さんが跳び起きた
「 うわっ!今何時?!五時?! 」
ワタワタと まくし立てて
上着と鞄を持って、玄関に急ぐ
「 用事ですか? 」
「 あ、いやいや
夜から往診があってね
間に合うよ
妙にここは、落ち着くから
すっかり寝入ってしまった 」
俺は玄関を開けて、傘を開く
雨避けはあるが
横からたたき付けて来る、激しい雨
「 ありがとう スマンね 」
「 こちらこそ
カレー、美味しかったです 」
館の中の駐車場まで送ると
急いで梅川さんは車に乗った
門を開けて、見送る
赤いポストから新聞を取り
しっかりと内鍵をかけて
自分も急いで、玄関へと走った
外に傘を置き
フロアの足拭きで足を擦る
手間だが、床を拭く方が、後で大変だ
扉からベットを見ると
カッパが起き上がって、口を押さえている
キッチンから急いで洗面器をとり
奴の居るベットに走った
肩に、手を回して摩る
カッパは必死に口を押さえて
俺を押し退けようとした
洗面器が落ち、俺はカッパを胸に抱く
「 そのまま吐け 」
激しく、首を振る
「 いいから! 気にするな 」