群青の月 〜『Azurite』take00〜





夕暮れになり、いきなりの夕立


カッパを膝から一時ベットへ
立ち上がって、庭へ急ぐ



シーツを入れて、ハンガーを纏めて取る

ソファーに置くと、梅川さんが跳び起きた




「 うわっ!今何時?!五時?! 」


ワタワタと まくし立てて
上着と鞄を持って、玄関に急ぐ



「 用事ですか? 」


「 あ、いやいや
夜から往診があってね
間に合うよ


妙にここは、落ち着くから
すっかり寝入ってしまった 」



俺は玄関を開けて、傘を開く


雨避けはあるが
横からたたき付けて来る、激しい雨




「 ありがとう スマンね 」



「 こちらこそ
カレー、美味しかったです 」



館の中の駐車場まで送ると
急いで梅川さんは車に乗った


門を開けて、見送る


赤いポストから新聞を取り
しっかりと内鍵をかけて
自分も急いで、玄関へと走った



外に傘を置き
フロアの足拭きで足を擦る


手間だが、床を拭く方が、後で大変だ



扉からベットを見ると
カッパが起き上がって、口を押さえている



キッチンから急いで洗面器をとり
奴の居るベットに走った



肩に、手を回して摩る


カッパは必死に口を押さえて
俺を押し退けようとした


洗面器が落ち、俺はカッパを胸に抱く




「 そのまま吐け 」



激しく、首を振る



「 いいから! 気にするな 」






< 49 / 262 >

この作品をシェア

pagetop