コーちゃんとゆうちゃんとけいちゃんが見た  709日目の流れ星
『出逢い』



ゆうちゃんは私の夫である。

ゆうちゃんは妻のわたしを けいちゃんと呼ぶ。


ある日、ゆうちゃんが仕事の合間に電話をかけてきた。


「仕事の途中でね、ペットショップを見つけたんだよ。
ものすごく可愛いワンちゃんがいてさ、新聞紙に噛み付いて暴れてたんだ。
けいちゃん、一度見に行ってみて。」


次の日 ゆうちゃんに言われたとおりその店に行くと、チョコレート色の
そのわんこは、店の端っこのケージの中で丸くなって眠っていた。


「すみません。
夫が黒っぽくて元気なわんちゃんがいたって言うんですけど、
どの子でしょうか?」


恐る恐る尋ねた私に、お店のおねえさんは


「この子だと思います。」と片手で収まるほどの、ぬいぐるみのような
天使を連れてきた。


ごま粒のような歯で私の人差し指をやさしく噛んだ時、
心はしっかり繋がってしまった。


後に「コージロー」と名づけたそのわんこと、
私たちは一緒に暮らすことを決めた。










こんなに早く別れが訪れる事も知らず、
コーちゃんとゆうちゃんとけいちゃんが暮らし始めて
708日目の朝


コーちゃんは天国に旅立った。





チワワとダックスのミックス犬 

チワックスのコージロー





小さな箱の中で眠るコーちゃんを胸に抱いて
ふたり見上げた空






709日目の夕方 


コーちゃんとゆうちゃんとけいちゃんは
決して忘れる事のない
美しすぎるオレンジ色の夕焼けを見た。






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