Happy garden.【短編】
おせちと知らない男

「ふざけんじゃないわよ……!!」



わたしの気持ちとは正反対に、雲ひとつなく晴れわたる青空の下、叫んだ。


そうして出した言葉が白い息に変わる。


セーターと厚手のコート。


十分暖かい格好をしていているはずなのに寒く感じるほど、気温は低かった。



わたしは薄いピンクの風呂敷に包まれたお重を睨みつけた。


瞳にこみ上げてきそうな熱いものをこらえるため、いったん空を見上げて目をつむる。


ようやく瞳の熱がおさまり、首をおろすと、あたりを見回した。



舗装されてない砂利道と葉の落ちた茶色の木々、花壇には赤い実のついた低い木や草。



ここは駅から住んでるアパートの帰り道にある公園だった。


遊具も何もない、ただ緑とベンチがあるだけで、5分もあればぐるっと一周できる。


普段なら、こうやって歩けば、誰かとすれ違う。


犬の散歩する人、緑を見て和みにくる人。


だけど、1月1日、元旦の今日は静まりかえっていた。

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