いつも笑わせてくれる貴族
そんで外に出る。
稲光がすごい。
「大谷、風邪引くから傘くらいさせよ」
瀧口も走ってきて、外に出てきた。
手には、傘を持っていた。
それを私に差し出そうとしとる。
「瀧口が風邪引くからいい」
私はツンとして、瀧口の前を堂々と歩く。
雨が凄くて、雷が鳴ってもおかしくない。
しかももうビショ濡れや。
「じゃあ一緒にさして帰ろう」
「!?!?」
私は驚いた。
この都会人が。
関西人に近寄るなって。
フサッ。
「?」
私の体に覆い被さったのは、瀧口の上着やった。
「い、いらん」
「着といて」
「………」
私は俯いて、瀧口と肩を合わせながら歩いてる事しかできなかった。