鈍感彼女と無口な彼氏 ★番外編★
「後ろなんて見えないから良いじゃない」
開きなおちゃったよ。
私からは見えなくても、周りの人達には丸見えだからね?
「お母さん、帯なんて結んだことないもの」
…先程浴衣着れないなんて女の子じゃないと言ったのは誰ですか?
っーか、知らないなら教えてあげるとか言うなよ!
私は思いっきりお母さんを睨んだけどお母さんは目を逸らした。
…このっ!
ガチャ
「ただいま─ってあれ?どうしたんだい?」
リビングに入ってきたのはお父さんだった。
「あ!お父さん聞いてよ!」
丁度帰宅したお父さんに私は全て話した。
──────‥
「可哀想に。お父さんがやってあげるよ」
そう言うとお父さんは私の頭を撫でた。
お母さんは私の隣で頬を膨らましている。
「え!?お父さん出来るの?」
だって、お父さんでしょ?男の人って着付けとか知らないんじゃない?
「たぶん」
…不安。
「睨んでないで。ほら、後ろ向いて」
私は半ば強引に後ろを向かされた。
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