恋の公倍数(受験生+塾講師)
深夜の告白



質問会ではまーちゃんに近づけなかった。


私は質問したくもない佐藤先生に質問することになった。


質問会が終わると、もう深夜の1時を回っていた。



「ありえないくらい眠い・・・」



「早寝早起きしろとか言うくせに、こんな時間まで勉強させるなんて~」



口々にみんなが愚痴をこぼす。


私は深夜まで勉強したおかげで、まーちゃんの眠そうな顔を見ることができて満足だった。


まーちゃんは、廊下で一人一人に、おつかれさん、って言いながら笑顔をくれる。




「おう!お疲れさん!お前なかなかやるじゃん」



「ふふ・・・まーちゃん、私のこと見直した?」


一瞬だけの会話。


まーちゃんは、見直した見直したって笑いながら私の頭をペンで突っついた。



たくさんの生徒に声をかけなきゃいけないまーちゃんは、私が振り向くともう違う生徒と話していた。






< 35 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop