【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
「聖良…本気なのか?」
「イヤ…ですか?あたしじゃダメですか?」
「イヤな訳ないだろう?俺のほうが頼みたいくらいだ。だけど…」
カサカサと紙が小さな音をたてている。
春風に僅かに煽られているせいもあるけれど、きっとそれだけじゃない。
あなたの心の動揺が現れているからだと思う。
あたしは先輩の手に自分の手を重ねるようにしてその紙を一緒に覗き込んだ。
昨夜自分の名前を書き込んだ部分に指を這わせる。
「ここにあたしの名前を書いてあります。その隣りの欄に先輩の名前を書いて下さいね。今はまだその時では無いけれど…いつか時期が来たら。その日まであたしはいつまでも待っていますから。」
ずっと待っているから。あなたと歩く未来の為に…。
そう気持ちを伝えるようにそっと『婚姻届』と書かれたそれを大切に封筒に戻す。
「バカだな俺。何を弱気になっていたんだろう。聖良が母親みたいにどこかへ消えてしまうかもしれないなんて…バカなこと不安に思ったりして。……ごめんな。」
あたしの肩を抱き寄せるとギュッと力を込めて先輩は呟いた。
「きっと…俺が聖良を幸せにするから。待ってろよ。一日も早くこれを提出して夫婦になろうな。」
「ハイ。ずっと傍にいますから…龍也先輩。あぃ…。」
――愛しています――
重なる唇にその先は言えなかったけれど、きっと気持ちは伝わったはず。
だってあなたの想いが痛いくらいに伝わってきて、触れている全ての場所から愛しさが溢れ出しているもの。
――愛しているよ聖良。一生離してやらないからな。――
――離さないで下さいね。あたしはあなたしか見えないんですから――
「イヤ…ですか?あたしじゃダメですか?」
「イヤな訳ないだろう?俺のほうが頼みたいくらいだ。だけど…」
カサカサと紙が小さな音をたてている。
春風に僅かに煽られているせいもあるけれど、きっとそれだけじゃない。
あなたの心の動揺が現れているからだと思う。
あたしは先輩の手に自分の手を重ねるようにしてその紙を一緒に覗き込んだ。
昨夜自分の名前を書き込んだ部分に指を這わせる。
「ここにあたしの名前を書いてあります。その隣りの欄に先輩の名前を書いて下さいね。今はまだその時では無いけれど…いつか時期が来たら。その日まであたしはいつまでも待っていますから。」
ずっと待っているから。あなたと歩く未来の為に…。
そう気持ちを伝えるようにそっと『婚姻届』と書かれたそれを大切に封筒に戻す。
「バカだな俺。何を弱気になっていたんだろう。聖良が母親みたいにどこかへ消えてしまうかもしれないなんて…バカなこと不安に思ったりして。……ごめんな。」
あたしの肩を抱き寄せるとギュッと力を込めて先輩は呟いた。
「きっと…俺が聖良を幸せにするから。待ってろよ。一日も早くこれを提出して夫婦になろうな。」
「ハイ。ずっと傍にいますから…龍也先輩。あぃ…。」
――愛しています――
重なる唇にその先は言えなかったけれど、きっと気持ちは伝わったはず。
だってあなたの想いが痛いくらいに伝わってきて、触れている全ての場所から愛しさが溢れ出しているもの。
――愛しているよ聖良。一生離してやらないからな。――
――離さないで下さいね。あたしはあなたしか見えないんですから――