初恋~俺が幸せにしてみせる~
☆★21★☆
ボロボロだった俺も
夢だけは叶えたかった

必死に勉強をして
スムーズに夢への
階段を昇っていた

それだけが救いだった

ばあちゃんが
頑張れって言って
くれているような
気がしていた

私生活は相変わらず

女を取り替えて
抱いていた

少しでも女が俺に
本気になりかけたら
会わないようにする

そんな恋愛しか
出来なくなっていた

あれから、千穂からの
連絡は一度もない

忘れられてしまった
んだろうか

俺を愛していたんじゃ
なかったのかよ

あの言葉は嘘だったのか

時々問いかけた

自分の胸の中で

千穂の面影に向かって
叫んでいた

千穂のぬくもりは
俺の中には一切
なくなっていた

笑顔の千穂よりも
泣き顔の千穂を
思い出してしまう

今頃泣いているんじゃ
ないかと心配になる

それとも、全く違う
恋愛を始めているのか?

どっちにしろ、俺は
忘れ去られている
のかもしれない
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