初恋~俺が幸せにしてみせる~
☆★26★☆
あの日から、俺たちは
少しずつお互いを
わかっていった

麻美は俺よりも
一つ年上だった

地元には両親と妹が
いるんだと言った

全然会ってないけど
と付け加えた

俺が気になったのは
なぜ昼も夜も
働かなきゃいけないのか

色々なので借金が
あるんだよね…と
深くは話さないけど
教えてくれた

自分の女が、夜に
キャバクラなんて
許せるはずがない

もしかしたら、どこかのオヤジに触られたり
してしまうかも
しれないってのに

麻美は大丈夫だと
言い張った

辞めろよと強くも
言えない俺

借金を返してやるほど
財力もないから

自分を押し殺して
我慢していた

毎晩、麻美からの
ただいまのメールを
待っていた

当直の日も

こっそり携帯を
開いてみたりした

カルテを整理しながら
頭の中は麻美の事を
考えていた

こんな奴に自分の命
預けたくないよな

ナースセンターからの
呼び出しの電話

我に返って走り出す

急変した患者の元へ
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