初恋~俺が幸せにしてみせる~
内心、嬉しくて
ドキドキしていた

彼女の真っ直ぐに
俺を見つめる眼差しが
痛いくらい刺さった

その真っ直ぐな瞳は
とても綺麗だった

俺は吸い込まれるように見つめ返した

『参考書ですか?
さすが、勉強出来そう
ですもんね』

彼女は視線を
俺の制服に向けた

制服のおかげで
彼女の眼差しから
解き放たれた

『この制服だからって
頭がいいとは
限らないけどね』

俺は笑って見せた

『でも…』

彼女が言いかけた時

『麻衣子!』

彼女とさっきまで
笑っていた女の子が
話しかけた

『知り合い?』

俺に軽く会釈をしていた

『うん。ちょっとね』

そう、俺は
ちょっとだけの
知り合いなんだ

『それじゃ』

俺はその場から
急いで立ち去った

『またね!』

彼女が俺の背中に
言葉をぶつけていた

俺は軽く右手を挙げて
振り返りもせずに
立ち去った

その心臓はようやく
落ち着きを取り戻した
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