初恋~俺が幸せにしてみせる~
☆★12★☆
“トントン”

千穂がドアを
ノックする音がした

『どーぞ』

自分の声が少し
うわずっているのが
わかった

千穂にその事が
バレていないか
心配になる

部屋に入ってきた千穂はペットボトルを
差し入れに持ってきた

俺はそれを受け取った

さっきまでの千穂とは
少し違っていた

ほぼノーメイクの
千穂だった

緊張はすぐに吹き飛び
お互いに笑い合って
話をしていた

離れていた時間を
埋めるように、色んな
話をしていた

千穂が転校してから
千穂の幼なじみは
毎日のように泣いていた

今でも千穂の話を
たまにする

千穂は幼なじみに
手紙を書くと言った

俺はちゃんと手渡すと
約束をした
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