初恋~俺が幸せにしてみせる~
☆★17★☆
千穂を出迎えた

見ないうちに千穂は
綺麗になっていた

驚いた

また痩せたんじゃ
ないのか?

髪が前より明るい色に
なっていた

少し高めのヒールを
履いていて、少しだけ
目線が近くなった

動揺を隠して笑顔を作る

千穂も素敵な笑顔で
応えてくれた

千穂の手を取って
歩き出す

千穂は抵抗せずに
俺の手を握り返した

新鮮な気持ちだった

千穂の趣味はあまり
わからなかったけど
俺なりに千穂が
気に入りそうな店に
連れて行った

実は少し下見を
していたんだ

千穂につまらない
思いはしてもらいたく
なかったから

連れて行く場所は
全部千穂が喜んでくれた

楽しそうに笑う千穂

俺もつられて笑う

まるで恋人同士の
デートのようだった

千穂はシガレット
ケースとライターを
買っていた

『千穂、タバコ
吸うの?』

思わず驚いて聞いた

『体に悪いから
辞めなよ』

自分を棚に上げて言った

『そうだねー』

軽く流された

自分も吸ってるから
あまり深くは
言わなかった

千穂と手を繋ぎ
街中をゆっくり歩く

俺が求めていた
千穂のあたたかさ

千穂はどう思ってる?

俺は幸せな気持ちで
いっぱいだよ

こんな日がずっと
続いて欲しいよ
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