今日も眠る貴方へ、
今日も眠る貴方へ、
お兄ちゃん、今こうして傍にいる事が不思議です。

判決が出てから暫くは行きたくなかったの。

お兄ちゃんが起きていたら、こんな不細工な泣き顔を見せてしまうでしょう?

それだけじゃなくても哀しい表情は見たくなかったよ。

もし本当に心の片隅でも反省している気持ちがなかったら、

きっとお兄ちゃんの傍にいる事は許される事ではなかったね。

そうだ。お兄ちゃんを……“殺そう”とした人達なんだけど、

今は滅多にないけれど、死刑にだけはしてほしくないって頼んだ。

だってお兄ちゃんはそうする事が1番哀しい事だって思っているでしょ?

伊達に妹として何十年一緒にいないよ?

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