のたおの大冒険(仮)


 ・・・・はい、ここでお分かりいただけたでしょうか?


 え?何も分からない。


 はい、つまり説明すると、500年間、闇の精霊の力は火の精霊の元に移ったのです。


 闇の精霊といったら『除魔』と呼ばれる、相手の魔法を封じ込めるという、恐ろしい魔法を持っております。


 今のところ、火の民は闇の精霊の力を使うことはできないみたいです。


 元々戦民族のため、戦い以外の魔法を扱うという器用さが欠けているのですね。


 さらに言うなら、闇の精霊と他の4精霊の相性は最悪です。


 元々火の精霊の守護を受けている、火の民が闇の魔法を使おうと考えると、死に至るといっても過言ではありません。


 アキラは勇者という特別な立ち居地ゆえに、火と闇を一つの身体の中に混同できたといって良いでしょう。


 事実、魔王に立ち向かった彼の身体の中には、その一瞬、全ての精霊が宿ったといわれています。


 水を出し、火を噴き、風を起こし、土を盛り上げ、光をともし、闇を叩き込む。


 既に、神様の領域ですね。


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