鬼 鴉【総集編】


一つの動きは、完璧なる決着を意味する。


その攻防は、何十何百という言葉を交わすより、過ぎ去りし月日の、幾重にも連なる思いを濃厚に物語った。



闘兵衛に、殺意は無い。



ソレを身を持って理解したからこそ、闘華はただ深く、うなだれた。



「……ッ何故っ!?」



己の殺意の斬撃を寸止めという、戦いを否定する形で終わらせた闘兵衛に対し、闘華は泣きながら問い質す。


闘兵衛は構えを解くと、己の手の平を見詰めていたのだった。


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