鬼 鴉【総集編】
暗い部屋の中に、桃華の姿がある。
見慣れない寝具に寝かされ、目覚めれば暗闇。
扉らしきモノはあるが、施錠されているらしく、びくともしなかった。
「……やれやれ」
太刀も取り上げられ、その身一つの割にしては、桃華は慌てていない。
(鬼面の男に、腹部への当て身を喰らい気を失ったまでは覚えてい……、イヤ、あの男は……)
桃華は確信にも近い感情で、記憶を探っていた。
『ギィ』
不意に、施錠の架かった扉が音を立てて開く。
「……兄上」
扉から入ってきた人物、鬼人を見て、桃華は呟いていた。
いくら数年経とうとも、感じるモノは、何も変わらない。
兄妹の、血の絆の、感覚であった。