鬼 鴉【総集編】
「そうだったな?お前、傭兵時代に、客船の警護でジェノスと戦ったって言ってたなぁ?」
ランスは髭を触り、思い出すようにティグに向かい問い掛ける。
「戦ったなんてモンじゃありませんよっ!?全滅ですよっ!全滅っ!!」
その問い掛けに、ティグは関を切ったように答えていた。
「10人以上の傭兵隊がたった1人に殺られたんですから……、俺は、命からがら海へ逃げ出したんですよっ!冗談じゃないっ!!」
早口で過去の出来事を語るティグは、心底嫌そうな表情を作る。
「……だが、アイツらとはいずれ戦う事になりそうだゾ?」
ブレイドはそんなティグに視線を送ると、やけに冷めた顔で呟いた。