鬼 鴉【総集編】


「もっとも……、アレと殺り合って、トウベェが生き残れるとは思えないわネ?」


秤に乗せた猛獣を見比べて、ジェノスはその考えを言葉にする。


「無手での殺傷能力なんて、たかが知れてるからネェ……?」


冷めた表情で、ジェノスはそう評していた。



ソレは、効率の問題であろう。



爪や牙が、従来の獣に比べて劣る生き物でもある人間には、道具が必要であった。

生き物として退化と進化を得た人間は、道具を持つ能力と道具を使う技術を手に入れる。

だからこそジェノスは、わざわざ不利になる無手を選ぶ闘兵衛に、違和感を感じていたのだ。



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