鬼 鴉【総集編】


沈黙が、空気を緊縛し、妙な間が生まれる。



「殺りますよ……」



紅拳は微笑みを浮かべると、不吉な言葉を漏らしながら、背を向けた。


「……任せる」


鬼人は呟くように、紅拳の背中に声を掛ける。


返答もせず、紅拳は部屋を後にした。



「しかしながら……、あのジェノスが我々に敵対するとは、思いもしませんでした」


紅拳が部屋を出た後に、尋ねるようにしてロインが鬼人に向かい、声を掛ける。


ロインの台詞からして、ジェノス、という存在を特別視している事がわかった。


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