討竜の剣
第四章
地響きを立て、牙竜が倒れる。

舞い上がる土煙。

その轟音に驚き、茂みや木陰に潜んでいた小鳥達が一斉に羽ばたいた。

「……」

俺は剣を構えたまま、牙竜から目をそらさない。

が、如何に強靭な肉体を持つ竜種といえど、首をはねられては最早生き永らえる事はできないようだった。

…牙竜を仕留めた。

その実感がじわじわと胸の中に湧き上がった。

「アキラ」

ライフルを肩にかけ、ナハトが歩み寄ってきた。

「すごい、アキラ…もうその剣を使いこなしている…」

「そんな事はないさ」

俺は笑みを返した。

ナハトが麻痺弾で牙竜の動きを封じなければ、俺はもっと苦戦していただろう。

或いは牙竜を仕留める事なく、逆に食われていたかもしれない。

結果から見るほど牙竜はたやすい相手ではなかった。

ナハトのフォローがあってこその勝利と言えるだろう。

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