討竜の剣
慌ててナハトを抱き起こす。

「おい、しっかりしろ、おい!」

軽く彼女の頬を叩くものの、反応が無い。

すっかり高温と脱水症状によって意識を失ってしまっていた。

まずいな…どこか日陰で休ませたい所だが、こんな砂漠の真ん中では方向感覚さえ狂う。

どちらに向かえばいいのか。

そもそもここは砂漠のどの辺りなのか。

「…くそ…」

俺もこの暑さで判断力が鈍っているようだった。

手持ちの飲料水をナハトに少しずつ飲ませながら、俺は彼女を背負い、自動二輪を牽きながら砂漠を歩く。

…俺が体力自慢のファイアル人でなければ、とうの昔に倒れているだろう。

それ程の暑さ。

いよいよ目の前が眩んできた。

ガクリと膝をつき、呼吸を乱す。

そんな俺の前に。

「…?」

水筒が投げ落とされた。

「飲め…少しは体力が回復する」

朦朧とした意識下に聞こえてくる声。

ゆっくりと見上げると、目の前には尖った耳を持つ端正な顔の女が立っていた。

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