討竜の剣
明朝。

俺はナハトの自動二輪にまたがり、大地を疾駆していた。

これから向かうのはファイアルの西にある砂漠地帯。

ファイアルと西の地域フーガの間には広大な森があり、そこは亜人種エルフの住処となっている。

砂漠地帯はその森の手前に広がっていた。

面積としては然程広くは無いが、とにかく昼夜の寒暖の差が激しく、日中は40度以上、夜は氷点下にまで気温が変動する。

当然そんな苛酷な環境下に生息する砂漠地帯の魔物は、そこいらの魔物よりも手強い。

太陽が昇りきらないうちから、既に俺とナハトは汗だくだった。

直射日光を浴びないように、砂避けの外套をまとって自動二輪で砂漠地帯をひた走る。

…この地域に生息するという甲竜。

だが、その情報はあまりにも漠然としている。

とりあえずの所は虱潰しに探していくしかなかった。

「それにしても…」

ナハトの後ろで、俺は飲料水を口にする。

暑い。

狩猟者として少々の苛酷な環境には慣れているつもりの俺でさえ、この気温は流石に堪えた。

ましてやナハトは、あまり外を出歩く事のないドーラの人間だ。

自動二輪を止めた彼女が。

「…!…おい!」

熱射病によって倒れるのも、無理は無かった。


< 77 / 159 >

この作品をシェア

pagetop