討竜の剣
やがて料理がテーブルに届き、俺達は食事を始める。

「で…」

料理を口に運びながら、俺は話を続けた。

「再生竜…情報じゃ休火山に生息しているらしい…もう数十年も誰も仕留められていないって話だぜ」

そう…今回の竜種討伐で最も手強いと思われるのが、この再生竜だ。

四英雄の時代から生き延びているとさえ言われる、この世界で最古の竜種。

鉛色の鱗に、白く長い顎鬚(あごひげ)を蓄えた竜。

噂によると、その名の如く高い再生能力を誇り、並大抵の攻撃では致命傷を与える事ができないとか…。

その能力から魔物ではなく、むしろ神獣の類ではないかとさえ囁かれる竜種だ。

仕留める方法なんて思いつきもしない。

というか、仕留める事など出来ないんじゃないかとさえ思う。

しかし。

「何としても…仕留める…」

ナハトの決意は変わらなかった。

「再生竜の素材が手に入れられなければ…剣は完成しない…汚竜は倒せない…」


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