背伸びKISS
「~~っ!?」
言葉なんて出ない。
口をぱくぱくと開閉して、声にならない声をだす。
真っ赤な顔がよりいっそう赤く、熱くなった。
夜が怖い。
逃げてやろうか…
なんてね…。
そんなあたしの心の声が聞こえたのか、少し屈んだ篤弥の低い声が耳元で擽る。
「……言っとくけど、」
後頭部に手を回し、だんだんと顔を近づけてくる。
「拒否権はねーからな」
唇と唇の距離あと1㎝ってとこで、篤弥が呟いた。
コドモとオトナ。
「愛があれば年なんて関係ない」
それが本当か嘘かは解らないけど、とりあえずあたしは貴方を信じてみようと思う。
「篤弥!!」
「なん…」
―――チュッ
篤弥が振り返った瞬間、あたしから初めてキスをしてやった。
……少しだけ
ほんの少しだけ
背伸びをして。
「お返しだよ―だっ!」
触れた貴方の唇は
ちょっぴり苦い、オトナの味。
終わり
