私の病気~摂食障害(拒食症)

具体的な治療がはじまった。内科的治療として『アルブミン』の点滴が始まった。これは、低栄養状態にある身体を刺激して身体の機能を回復させるためでとりあえず10日間。精神的治療として箱庭療法が行われた。箱庭療法とは文字通り箱のなかにある程度用意してある人形、ミニカー、ミニチュアの動物、建物などを使って自分のイメージしたものを作っていく作業療法だ。
後は特に何もない。友達と話をしたり、自由に過ごした。
入院した時は大部屋だったが医者が私の体調やこれからの治療法を考えて個室に移ることになった。
あまりにも自由すぎてこちらの病院に来て逆に過食嘔吐の程度や回数は増えて来ているようだった。
それに自分では全く治りたいという気持ちはなかった。今のままで充分だ。この体重がベストだ。と思ってた。だからこれ以上太りたくなかった。太りたくないから完璧に吐こうとする。そうすればまた、体重も減る。
拒食症の人はもっと痩せたいと望んでいるんじゃない。ある体重までくると太るのがこわくなるのだ。その気持ちが強すぎて余計に管理し過ぎて結果体重が減っていくのだ。
治療はカリキュラムどうり進んでいくが自分の気持ちは止まったままだった。「今のままでいいんだ。」
治りたいなんて少しも思ってなかった。
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