世界から
とても平和な国
夢を見なかったときに目が覚める感覚。異世界に到着したときはそんな感じだった。
「あ、ちゃんと来れた。よかったね」
「ちゃんとって・・・そうじゃなかったら危なかったのか」
「いや、きっとシオンなら大丈」
---ゴツン
「痛い、痛いよ」
異世界というからどんなファンタジーかと思っていたが、ドラゴンとかそういう空想上の生き物は見当たらなかった。
見渡すと、どうやらシオンたちは森の中にいるらしかった
「うーん、まあ本が本だからねえ。現実に近・・・」
すぐ近くの茂みから、ガサガサと音が聞こえた。
大きさと数から判断して、人間サイズの“何か”が複数でこちらに近づいて来ていた。
敵意を感じる。
「お・・・おい」
シオンは少し焦ったが、リクは平気そうな顔をしていた
「人間だと思う?それとも猛獣の類かな?」
「どっちでも一緒だ、この場合」
リクは肩に掛けていた通学鞄から本を1冊取り出した。
硬くて厚い革張りの表紙には何も書いていなかった。辞書のように分厚い本だった。
そのページをリクは捲る
「ふう、とりあえず“普通の”でいいかな。時間もないし」
リクは何かする気だった。
察するにあれは魔法の本で今は時間が無いから詠唱破棄でもするんじゃないか。
そうシオンは考えていた。
「見敵必殺っ!!」
何だか微妙な呪文、いや・・・おそらくただの掛け声だろうか
本は白く輝きだして閃光を放ち、そこから小さくて細長でたくさんある何かが四方に飛び散っていった。
その一瞬跡にプスッという音と男の悲鳴が聞こえてきた。
数秒後、シオンは何が起こったかよく分からなかったが、とりあえずリクが敵らしき連中を倒したことだけ理解した。
「ごめんなさーい、生きてますか?」
リクが呼びかけたら返事は最初の悲鳴の数よりいくつか少なかった。
二人だけうめき声で返事をした。
茂みからまだ動く音がした
「ぐ・・・いきなり何しやがっ!!」
茂みから這い出してきた男に、リクがナイフを突き刺した。
数秒唸ったあと、男は静かになった。
「ひ・・・ひいい、た、助けてく」
もう一人の男もすぐに黙った。
「あ、ちゃんと来れた。よかったね」
「ちゃんとって・・・そうじゃなかったら危なかったのか」
「いや、きっとシオンなら大丈」
---ゴツン
「痛い、痛いよ」
異世界というからどんなファンタジーかと思っていたが、ドラゴンとかそういう空想上の生き物は見当たらなかった。
見渡すと、どうやらシオンたちは森の中にいるらしかった
「うーん、まあ本が本だからねえ。現実に近・・・」
すぐ近くの茂みから、ガサガサと音が聞こえた。
大きさと数から判断して、人間サイズの“何か”が複数でこちらに近づいて来ていた。
敵意を感じる。
「お・・・おい」
シオンは少し焦ったが、リクは平気そうな顔をしていた
「人間だと思う?それとも猛獣の類かな?」
「どっちでも一緒だ、この場合」
リクは肩に掛けていた通学鞄から本を1冊取り出した。
硬くて厚い革張りの表紙には何も書いていなかった。辞書のように分厚い本だった。
そのページをリクは捲る
「ふう、とりあえず“普通の”でいいかな。時間もないし」
リクは何かする気だった。
察するにあれは魔法の本で今は時間が無いから詠唱破棄でもするんじゃないか。
そうシオンは考えていた。
「見敵必殺っ!!」
何だか微妙な呪文、いや・・・おそらくただの掛け声だろうか
本は白く輝きだして閃光を放ち、そこから小さくて細長でたくさんある何かが四方に飛び散っていった。
その一瞬跡にプスッという音と男の悲鳴が聞こえてきた。
数秒後、シオンは何が起こったかよく分からなかったが、とりあえずリクが敵らしき連中を倒したことだけ理解した。
「ごめんなさーい、生きてますか?」
リクが呼びかけたら返事は最初の悲鳴の数よりいくつか少なかった。
二人だけうめき声で返事をした。
茂みからまだ動く音がした
「ぐ・・・いきなり何しやがっ!!」
茂みから這い出してきた男に、リクがナイフを突き刺した。
数秒唸ったあと、男は静かになった。
「ひ・・・ひいい、た、助けてく」
もう一人の男もすぐに黙った。