世界から
ロゼは黒マントの方をじっと見つめた
「おおっと」
黒マントを左右に振った
「それはもう、効かんよ・・・もう、理解した」
「そうか、残念だ」
ロゼは全く気にもしていない様子だった。
「そして、これはどうだあ!!」
黒マントは剣を縦に振った。
何も斬れてはいなかった。だが、何か金属音がする
「・・・・・!!」
シオンは気付いた。黒マントの方の床がひび割れて、そのヒビがこちらに向かってきていることに
シオンは飛び出してロゼとリドルを突き飛ばした
「避け・・・・!!」
だが、一瞬遅かった。
シオンの真下の床が割れた。
「シオンっ!!!」
「小僧!」
「ははは、綺麗に真っ二つだ!!ずれてすらいねえっ」
「いや、そりゃあずれないだろう」
シオンは何事も無かったかのように、その場に立っていた
「え?」
黒マントは驚いていた。
自分の放った真空の刃が、シオンに全く効いていなかった
「何でだろうな、斬れると思ったから二人を突き飛ばしたのに」
シオンは腕を曲げたり伸ばしたりして、自分が無傷であることを再確認する
「ぶぁああああああかなああああああ!!」
黒マントは半狂乱になってサーベルを振り回した。
真空波がシオン目掛けて飛んでいくが、全てシオンの手前で消えていった。
リドルは驚いたようにシオンを見ている
「まさか・・・シオンも」
「お前も今知ったのか?」
「そのこととは違うけど、まあ・・・うん」
ロゼは「そうか」と言って、黒マントの方を見ていた
シオンは黒マントに向かって走っていった
「く・・・来るな」
「効かないなら怖くない、お前も、その剣も」
「う、あああっ、あああああああっ」
男はサーベルで直接シオンに斬りかかった