君の声が聴こえる。

「ん―…まぁ…」

曖昧な答えに一瞬、顔を歪めたが篤那はすぐに笑顔になった。

「じゃあ、OKねっ!!」
迎えに行くからと早口で言って篤那は栗毛をなびかせて席に戻った。


篤那が家に来た。

メイクも洋服もばっちりきまっていて元のかわいい篤那をもっと魅力的に女らしさを引き出している。

一方、自分はというといつもと変わらない格好でお気に入りのサロペットがついてきたって感じの洋服。

しかも、メイクはほとんどしないですっぴんに近い。

乙女の篤那とは正反対。
「暁も彼氏いないんだからもっと気合い入れなよ~。」

なぜか1オクターブ高い声で言っている篤那は凄くかわいい。

「男は週替わりだから。」

声が酷い事になっているのを忘れてでた言葉は自分が悪者になったみたいに情けなくなる。

「いいなぁ、暁は美人だから。」

「そんな事ないよ。篤那のがスッゴくかわいいから。彼氏、絶対できるよ。」

自分の胸の位置にあるふわふわな髪の毛を撫でてやった。
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