クライシス
トイレを出て駅の改札に向かうと制服警官二人がイヤホンを耳に押し当てて周りを隈なく見ていた。


情報が行ってるか・・・・


着替えておいて良かった。


雄介は切符を買って改札を入る。


難波方面のホームに立つと辺りを軽く見渡した。


特に変な奴はいない。


雄介はipodのイヤホンを取り出して音楽をかけずにイヤホンだけを付けた。


急行電車を見送り次の普通電車に乗った。


急行だと不測の事態が起きた時に降りれない。


乗った瞬間に辺りを見渡すと特に変わった点は無い。


雄介はホッとしたが席には座らない。


ドア付近に立ったままで周辺に気を配る。


何駅か通り過ぎた後に、沢ノ町駅から子連れの女が乗車して来た。


雄介は視界の端に女を捉える。


少し違和感があった。


何だ?


雄介はもう一度女が乗って来た状況を思い出した。


そうか・・・


子供を見てないんだ。


子供は五歳位の子だ。


電車に乗る時は通常、足元に気を付ける様に乗せるはず。


所が女は子供を見ずに、周りを気にしていた。


雄介はそう思うと胸がドキンとした。


窓から外を見る。


車掌がアナウンスで住吉東に停車する旨を伝えた。
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