クライシス
「この事件の捜査を・・・一旦中止する・・・」


その言葉に捜査員からどよめきが起きた。


やっぱりね・・・


赤木は思った。


その時、大声が響いた。


「なんでですか???なんで中止なんですか???」


声の主は井上であった。


若い井上にはまだこの事態が理解出来ていないのであろう。


「やかましい!!理由を言うか言わないかは、こちらが決める事や!!!」


一課長が井上に怒鳴る。


だが、井上は納得がいかない。


「意味分かんないっすよ!!!殺人事件ですよ!!!しかも捜査が進展しそうなんや!!!」


井上の隣に座っていた江川が井上を抑えた。


「座っとけ!!」


江川が井上に言う。


一課長も苦々しい顔を浮かべていた。


刑事部長が口を発した。


「君の気持ちは・・・分かる・・・が、・・・」


刑事部長も口が重い。


その時だった。


黙っていた銀行員の様な男が口を開いた。


「まあ、落ち着いてください・・・井上さん」


そう言って銀行員の様な男は井上を見た。


「すみません、部長・・・私から説明させて頂きますよ・・・」


そう言って男は全員を見渡した。


赤木は黙って男を見つめていた。


「私は本部警備部外事課の川村と申します」
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