クライシス
「フォフォフォ。その通り、流石は幕僚長です。話が早い」
楠木が笑い続ける。
「教授、ダメです。我々は一警察官と一自衛官です。その話は我々には出来ません。政治が解決すべき問題です」
篠原がそう答えた。その言葉に曽根も頷く。
「もちろん、私もそう思います。ただ、言いたいのは、政治は決断を下すだけです。その前に専門家に聞きたい事が有るのです」
楠木はそう言うと二人を見つめる。
「アナタ方はあの三人を物理的に救出が可能か否かです」
その言葉に曽根は首を横に振る。
「お答え、出来ません」
曽根がそう言うと楠木は「フム」と呟いた。曽根も篠原も下唇を噛んでいる。
「市橋雄介は私の教え子です。彼の父親と私は学生時代からの悪友でしてね。昔から可愛がっていました。そして、彼は私の教え子の中でも、優秀な生徒でした。出来れば彼に大学院に行って欲しかったんです」
楠木はコーヒーをすすった。
「ですが彼の父親は、彼が高校生の時に亡くなっていました。経済的な理由から彼は大学院に行く事を諦めました」
篠原と曽根が楠木を見つめるを
「そして、私は彼に科捜研を紹介しました。私が元々、科警研に居たもんですから、そのコネを利用して、ね」
雄介が居る科学捜査研究所と科学警察研究所は違う。簡単に言うと科学捜査研究所は地方機関。科学警察研究所は国な機関。科学警察研究所の方が上だ。

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