クライシス
−11月13日11:50−

東京都八王子市・・・


木下は二谷に連れられて、八王子署の近くにある中華料理のチェーン店に入った。


店の中は昼時の時間で混み合っていた。


「餃子と天津飯ね」


二谷は注文をすると木下を見た。


「アンタは?」


「私は・・・良い・・・」


すると、二谷がテーブルの下で木下の足を蹴って来た。


木下は、それに気が付くと注文をした。


「じゃあ、チャーハンを・・・」


店員は注文を請けると立ち去る。


「こう言う混んでる店の方が声を掻き消されて良いんだよ」


二谷は、そう言って水を口にした。


確かに周りは騒がしい。

逆に秘密の話には適している。


「私は警備企画課第二担当理事官だ・・・」


木下が言うと二谷は頷く。


「キジとは連絡は取らない」


二谷が言い放つ。


「まだ、何も言って無いが・・・」


「チヨダの校長がワザワザ来るならば、その用件しかねーだろ」


二谷は運ばれて来たギョウザを口に入れた。


木下は溜息をついた。


「二谷さん、アナタはチヨダに恨みを持っているのか?」


木下の言葉に二谷は動きを止めた。


「なんでだよ?」


そして、そう言って笑ったのだ。
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