クライシス

接触

時は現在に戻り・・・

−11月14日17:30−

大阪府北区梅田・・・


日曜日の梅田は込み合っていた。


雄介は久しぶりの大阪の街を由香と一緒に歩いている。


「そろそろ・・・飛行機の時間ちゃうの?」


由香が雄介に言った。


「せやな・・・ああ・・・もう一泊しようかな・・・?」


雄介がそう言うと由香が笑う。


「公務員はエエね・・・気楽で」


その言葉に雄介はムッとした。


冗談に決まってるだろうが・・・


そう思っていると由香が続けた。


「民間企業はそんなに休まれへんで・・・ウチの会社の営業の男の人なんか今日も働いてるわ・・・」


由香の言葉に雄介はイライラして来た。


俺らも休みを返上して仕事をするちゅうねん!


実際に雄介の仕事は次から次へと仕事が来る。


正直、今回の二日の休暇も取れない位だった。


だが、由香とも会いたくて休暇をとったのだ。


そう言いたかったが・・・出た言葉は・・・


「じゃあ公務員になりゃエエやんけ」


そんな言葉を言ってしまった。


由香は溜息をつく。


「そう言う事や無いやんか・・・」


由香の言葉は当然だ。


雄介もそう思う。


でも、雄介の中では子供じみた言葉が口に出てしまう。
< 41 / 274 >

この作品をシェア

pagetop