クライシス
二人は黙って歩き出した。


なんか・・・アカンな・・・


雄介はそう思いながら梅田駅へと向かった。


「なあ・・・次は・・・いつ戻るん?」


「さあね・・・俺はいつでも戻れるけど・・・民間企業さんは忙しそうやから」


その言葉に二人は黙った。


由香が呆れてるのが分かる。


雄介も自分で自分が嫌だった。


梅田駅に到着して、空港バスの乗り場に向かう。


バスは既に来ていた。


雄介はカバンを肩にかけ直すと、由香を見た。


「ゴメン・・・クリスマスに来るわ・・・」


そう言うと由香は雄介をジッと見つめて黙って頷いた。


雄介はバスに乗り込み、座席に座ると窓の外を見る。


由香が手を振って来た。


雄介も振り返した時に、バスが出発した。


雄介も由香も・・・・お互いがしている事に・・・




空しさを感じていた・・・












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