私だけのスーパーマン





『とか言いながら本当は彼氏なんでしょ?』


どうやら泉さんはまだ疑ってるみたい。



「違いますって!

洋くんは彼氏じゃありません」


ただ、いくら否定しても


『そんなに照れなくても…』


泉さんは信じてくれなくて。


でも私は否定することをやめなかった。

いつもならきっと、途中で諦めてた。


でも泉さんには知っててほしかったんだ。


洋くんが彼氏じゃないこと。

…理由なんてよく分からないけど。



『分かりました。

信じます』


泉さんも最後は折れて一件落着。


そのときふと目に入った一輪の花。


この前の『アネモネ』とは違う花。



「泉さん」

去っていこうとする泉さんを呼び止める。



「この花ってスズラン、ですよね?」

その花は見たことがあった。


かろうじて名前が分かる花


『スズラン』


どうして泉さんは飾ったんだろう。








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