春を覚えてますか
それがきっかけかは定かではないが、この日から私たちは毎日夜遅くまでメールをするようになった。
今までは、夜更かししてまでメールはしなかったし、しようと思わなかった。
もとより面倒くさがり屋な私は、メールが苦手だったから、あまりしないようにしていた。
会って話せばそれでよかった。
それなのに今は違う。
苦手なメールも自ら進んでするようになった。
彼からメールが来ない僅かな時間さえ不安になって、来れば嬉しくなって即返信。
受信ボックスや送信履歴が彼の名前で埋められていく様は見ていて気分がよかった。
いつの間にか私は、彼という麻薬に溺れていたらしい。
けれど、幸せは長くは続かないものなのだ。
私は忘れていた。
彼がもう、隣りからいなくなってしまうことを。

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