看護学校へ行こう
みんなが良い気分になった頃に、たすけの歌う番がきた。たすけは元気爆発のやんちゃな子だ。彼女がセレクトしたのは、チューブの「ストップ ザ シーズン インザザン」である。みんな総立ちになり、こぶしを振り上げ、ジャンプしたりとのりのりになる。すでにへべれけの子もいた。こうしてボルテージも最高潮に達した頃、店員から

「さあ、次はダンスタイムといきましょう。」

と言われ、ディスコミュージックが流れ出した。当時流行のマドンナの曲がかかる。みんなすぐさま中央のホールに出て、声を出しながら激しく踊り始めた。何せエネルギーは有り余っている。飲み慣れない酒も入っており、危ない目をしながら踊り狂った。酩酊状態で激しく体を動かすから、ますます酔いはまわる。気分はランナーズハイのようになっていたが、踊っている途中でトイレに行ったきり、帰ってこない者もでてきた。こうして閉店までその店に居続け、気がつけば行き場のない私たち。実は閉店後の計画までは、まったく考えていなかったのである。何とかなるさとばかりに外泊したのはいいが、午前2時を過ぎ、ひどい吐き気に苦しむ子もいて、路上でたむろして思案にくれていた。すると通生のみのるが

「うち来る?」

と言ってくれた。酔いの覚めた子が気分の悪い子を抱え、疲労だけが残っているのみである。そこで深夜の2時半頃、申し訳ないがみのるの家に行き、リビングで20人ほどがざこ寝した。3時間ほど寝て、ようやく6時近くになり、みんなで寮に戻ると、泥のように眠った。それでもエネルギーのあふれていたこの頃、とても楽しい一夜だった。
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