看護学校へ行こう
初めての夏休み
 私たちは、看護学校に入って初めての夏休みを迎えた。

「やったー、夏休みだ!」

と事前には思ったが、実際家に帰るとつまらない。あの古ぼけた家で暮らすのである。高校時代の友達もいない。毎日毎日一人でのらりくらりと過ごしていた。私の実家は私が看護学校に入学すると同時に札幌に引っ越したから、札幌で初めての夏を迎えた。はっきり言って、暑い。室蘭は真夏でも25度位しか気温は上がらない。港町だから冬など潮風が吹いて、非常に寒い。しかも朝晩は大抵霧がかかっている。天気はいつも曇りな状態のことが多い。北海道は広いので、気温、積雪状態など地方によってまちまちである。ところで札幌での夏だが、毎日30度を越える。道外の人は当然かもしれないが、室蘭では気温が30度を越える日など年に一度あるかないかである。ちなみに北海道ではクーラーが無い家が圧倒的に多い。年に数回の30度越えのために、わざわざクーラーなど買わない。だが札幌は室蘭よりはるかに暑かった。札幌は北海道の中では気候条件が良い。夏はちゃんと暑い。だから毎日30度を越える。そう言う気温に慣れていない私は、死にそうだった。室蘭から引っ越してきたばかりの貧乏な私の家にはクーラーなどない。だから家の中でだらだら汗をかきながら、じっとしているのみである。車の免許など持っていないから、デパートに涼みに行くこともできない。どこかに行くとなると、歩きとバスである。くそ暑い中、とても外に出る気になどなれず、ただ家でぼーっと暮らしていた。
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