看護学校へ行こう
私はろうそくを持ち、自分の立ち位置におさまった。すると隣の子が私に耳打ちした。

「キャップ、頭の前の、おでこ近くについてるよ。」

みんな、私を見て笑っていたのだ。私は頭の後ろでお団子状に髪を束ねてもらった。そしてナースキャップのくぼんだところに髪のお団子を入れてもらうつもりだった。ところが教務長のチムチムは、そのお団子のさらに上にナースキャップをつけたので、果てしなくおでこに近い位置にナースキャップがついてしまったのだ。しかし指摘されても治すわけにはいかず、私はそのキャップの状態でろうそくに火を灯し、ナイチンゲール誓詞を暗唱した。式は滞りなく終了した。式の後慌てて鏡を見ると、唖然とした。まるでコックさんみたいである。式の最中にはプロのカメラマンが写真を撮っている。一生涯残る記念すべき日の写真がコックさん・・・。この後しばらくみんなに笑いのネタにされてしまった。

 式が終了すると、二、三年生からプレゼントをもらった。コーヒーカップと寄せ書きだ。色紙に

「ちゅうちゃん、おめでとう。」

「辛いこともあるけど、楽しいことももっとあるよ。」

など、心のこもったメッセージと私の似顔絵が描いてある。いつもは厳しい先輩。だけど志は同じだ。先輩達も応援してくれていると思うと、心から嬉しかった。


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