群青の街
3.バーホステス・ナミ
この廃れ、さびれた街には、階級というものがある。その階級はレベル4~0まであって、下がれば下がるほど、その町の治安が悪いという証明になる。

例えば、ミナト町、あれは、不良や不当な商売をやって荒稼ぎしてるヤクザがうろつく、レベル1の町。

警官隊本部と第一捜査支部が置かれるヒノ町は、レベル4。この町は、街の中でも比較的治安が良く、街並みも綺麗で、住民には金持ちが多く、街長(まちおさ)の天道様(てんどうさま)が住処を構える町でもある。

そして、町並みが、綺麗なところと、汚いところとで分かれており、いわゆる庶民と不良たちとが混合して住んでいる町が、レベル2のヒトヨ町である。


ヒトヨ町は、なんとも不思議なことに、町が二つに分かれている。町のちょうど真ん中に大きな門があるのだ。それを境にして、庶民と不良たちとが住む場所を隔てている。

町の治安は、良すぎず悪すぎもしない。ほかの町のように天候も左右しない。この町は、年がら年中曇りだ。ヒノ町は、時々『晴れ』になったりもするらしいが。


良くも悪くも、平凡で動きの無いこの町を、格好の隠れ蓑として利用する者は多かった。その者たちの職業は、有名な会社の会長から、普通のサラリーマン、目もくれないヤクザや、前科者まで様々だった。


隠れ蓑として利用されるこの町にさらにうってつけだったのが、この廃れた街の男たちに娯楽を与えるバーである。

見目麗しい綺麗な女たちが、その美しい体のラインを強調した服を着て、その整った顔をさらに化粧で引き立たせて、男たちに一時の最高の時間を与えてくれるのだ。

< 11 / 16 >

この作品をシェア

pagetop