群青の街
2.警官隊隊長レオン
「はぁ……、またか。」

男は口にタバコを加えながら、ビニールシートに横たえられたもう見慣れた死体に目を向けた。


「また同じだな…。」


その死体のそばにしゃがみこみ、タバコの煙を吐き出す。

その死体は、目をかっと見開き、左胸に小さな穴が開いていた。この小さな穴は、多分銃弾が貫通した跡だろう。目をかっと見開いたまま、服装は乱れていない、争った形跡がないということは…


「一瞬でやられたか。」


まぁ、相手がプロじゃあなぁ………

レオンは、白髪混じりの長髪をガジガジと掻いた。

「またあいつですか。」

「ん、ああ……、タナカ。」

背後からかけられた声に、目を後ろに向けると、部下のタナカが立っていた。タナカの表情は厳しく、どこか険しかった。その瞳には、かすかに憎悪の色が宿って見えた。


「まぁそうカリカリしなさんな。」

レオンは苦笑して、タナカの肩をポンとたたいた。

「でもっ…、これでもう何件目ですか!」

「まぁそう怒ったってしゃーねえだろ。それにコイツ、ウチが指名手配かけてたヤツじゃねえか。」

顔を見てすぐわかった。
麻薬の密売をして、それを他人に売りつけ麻薬漬けにした上、自分のオンナを3人も殺させた。

その首謀者がコイツだった。

女3人を殺したヤツは別の人間、さらには麻薬の受け渡しもこの街にはゴロゴロといるホームレスにやらせていたために、なかなかコイツにたどりつくことができなかった。

その間に逃げられ、約1年追い続けていたが…


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