明日死ぬ
アイとはお昼過ぎに会う約束をして、そのまましばらくおしゃべりしてから電話を切った。

午前中は家族3人で他愛もない事をしゃべりなから過ごした。

お父さんもお母さんも朝のやり取りや会話の端々から、私がいつもと違うって事に多分気づいていたけど何もないフリをしてくれた。

何もかもがありがたく感じ輝いて見え、もうここには帰れないのが寂しかったが意地でも表には出さないように頑張った。

お昼ご飯を食べた後自転車でアイとの待ち合わせ場所へ向かう。

さようなら、お父さんお母さん。

逝ってきます。


空を見上げると突き抜けるような蒼さでもなく、雲ひとつないワケでもなかったけどよく晴れていた。

うん、よしよし。

きっと今日は

死ぬには良い日だ。
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