主従関係。

キャッスル

放課後。父から貰った地図が書かれた、小さなメモを握り絞めていた。

『うぅ〜ん。……あっ!』

何で気付かなかったんだろう。下ばかり見てたから?
この地区こんなに土地あったんだと思うほど、見えない向こう側まで広がっている薔薇園。

その真ん中当たりには、家と言うより、城に近い建造物が建っていた。


周りの閑静な住宅街の景観を見事にぶっ壊す外観だ…

以前の家を豪邸とほざいていた昔の私は馬鹿みたい。


『佐々木、花梨様でございますね?お坊ちゃまがお待ちです。どうぞ』

『はぃ。』

あんぐりと口を開けて突っ立っていると、執事らしき人が恐る恐る話し掛けてくる。


門の中に入るとピカピカのリムジン。どうやら、ここから城まで車で移動するらしい。
見た目通りこの薔薇園は異常な広さだった。

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