大好きなあなたへ。【短編】

「ぅそ!?雅兄ぃ!?ほんとに!?」

嬉しい

すごく嬉しい

「ぅん。ずっと帰らなくてゴメンな……。」

雅兄ぃは昔突然東京に行くと言って
一度も帰ってこなかった

アタシはそれを追うように東京にきた

でも雅兄ぃは
見つからず今の仕事をしていた

一度だけ、雅兄ぃに手紙を出した

《今は東京のキャバクラで仕事をしています。雅兄ぃは、何をしていますか?元気ですか?》


「手紙読んで、さがした。いろんなキャバクラ回ってて、それで、今日見つけた。」

(ぁ……だから(ココはね)ってゆったんだ…。)

「りん、結婚しよう。」

………答えは決まってる

「うん。ずっと、好きだったよ。」

雅兄ぃはアタシの
理想をくつがえすほど
カッコイィし優しい

だから
今まで一度も好きな人はいない

「鋳鈴、ありがとぅ」

鋳鈴……覚えててくれた。

アタシの本名は鋳鈴(いすず)

雅兄ぃが鋳鈴の鈴を
りんってよんだときから
ずっと雅兄ぃからは
りんって呼ばれてた。

だから
お店のときの名前は
りんにした。

いつか、雅兄ぃに
見つけてほしかったから…。
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