青春の蒼いカケラ
 なおとは説明しだした。前の日のレースの枠連の目を使う。一R, 2―3なら二番と三番を絡める。それが、なんとなく三連単だ。これで行くと買い目が少なくなる。そして、倍倍だ。でも、直前オッズじゃなきゃわからないので予想を立てる。それが課題だ。あとは、はるおちゃんに任せると言って、お開きになった。なおとは、タクシーを飛ばして調布のマンションっへ引き上げた。
「なおちゃん遅かったのね」のりちゃんが言った
「ちょっとした会合でな」
「新婚旅行何処にする」
「近場でどうだ」
「熱海がいい」
「じゃ、銀水荘にするか」
「うん」
なおととのりちゃんは夜も遅いので、薬を飲んで寝てしまった。

今日は二週間ぶりの外来だった。相変わらず狭い待合椅子がいっぱいだった。先生に結婚の事と新婚旅行の事を話すつもりでいた。顔見知りの人も何人か来てた。
「井上さん」呼ばれた。
「こんちは」
「どうだね」
「良く寝れてます」
「じゃいつもの薬をだしときますか」
『ええ、実は結婚したい人ができまして』
『よい話ですね、どんな人』
「おなじ、病気の人です」
「そうか」
「結婚してもいいですか?」
「もちろんいいとも」
「わかりました」
『じゃあ頑張って』
 どうやら無事通過した。なおとは、ほっと胸をなでおろした。あとは、結婚式の準備だ。もう、電話連絡してあるので、招待状は出さなかった。これから、調布ビューホテルとの掛け合いだ。一様電話してみた。十二月二十四日は、空いているとの事だった。これも無事すんだ。そして、なおとの伯父さん夫婦とノリちゃん夫婦のホテルの予約もまだ早いながら、調布ビューホテルで取ってしまった。これで一安心だった。なおとは家へ帰ったらのりちゃんへ報告した。大喜びだった。
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