青春の蒼いカケラ
転校ハチャメチャ編
雪の降る中、僕は、お爺さんに連れられて、町立池尻舞戸中学校へ、転校の手続きと挨拶に出かけた。一年生は、竹組と松組の、二クラスだった。僕は竹組にはいった。クラス・メートの前で自己紹介をした。
「井上なおと言います、よろしくお願いします」
 簡単に挨拶した。 最初は、津軽弁にとまどっていたが、だんだんなれてくるにしたがって、クラス・メートとの仲も良くなっていった。席は一番後ろの窓際だった。前の席には、中田という男の人が座っていた。中田は頭もよく目も良かった。その隣は山下というメガネをかけた、女の人が座っていた。山下は美人だった。クラス・メートの女性は美人が多かった。中学生は皆ボーズ頭だった。僕もボーズ頭にしろと、先生に言われた。中田は体格はそれほどでもないが、喧嘩は強かった。五所川原の不良学生に囲まれた時、皆倒してきたつわものだった。陸上部に入っていた。僕も、陸上部にはいった。
「なおちゃん、俺と腕立て伏せの競争しないか」
中田がいった。
「まけませんよ」
 一・十・百と競争が始まった。二五六回目で僕が勝った。
「いや~まいったまいった」中田が言った。
「一汗かいてしまった」
「今度は腹筋の競争をしよう、負けないぞ」
 一・十・百と。今度は負けてしまった。
「なおと、けっこう体力があるな」
「サッカーで、鍛えましたから」
「今度の日曜、少林寺拳法をやらないか?」
「何処でやるんですか?」
「ここの体育館だよ」
 少林寺拳法は日曜日の午前九時から午後五時までやっていた。先生はお寺のお坊さんがやっていた。
四十六歳で、昔は警察官をやっていた人だった。阿部といった。日曜日中田と待ち合わせて体育へ向かった。人数は十名ほどで女性も混じっていた。
「はじめまして」
なおとは先生に挨拶した。
「よろしく」
がたいのいい頑丈そうな先生だった
「まず前蹴りの練習するか」
ドアの間の片方の柱に向かって前蹴りの仕方を教えてくれた
先生が説明し出だした
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